
小野田 雅一さん れいさん 羽玖くん
移住のきっかけ
いずれUターンしたいと考えていた雅一さんと、田舎暮らしに憧れていたれいさん。感染症の影響により、リモートでの勤務が可能になったことで、「東京にいる必要がない」と地方移住を決意。1年ほどかけて納得のいく古民家を探し、2022年の夏に移住しました。
日本の原風景が広がる集落にもたらされた新たな風
甲州市の市街地から車で約15分。養蚕が盛んに行われていた明治から昭和にかけての穏やかな農村風景が今なお残る上条地区に、小野田さんご夫妻が営むベーカリーカフェ「上条庵」があります。
お二人が地方移住を考え始めたのは、新型コロナウイルスが感染拡大していた2020年のこと。どうせなら古民家に住みたいと探すなかで見つけたのが、上条集落にある築180年の養蚕農家でした。「1年ほどかけてたくさんの物件を見て回ったのですが、シンボルツリーの杉の木が印象的で、周囲にただよう秘境感にも魅力を感じました」とれいさん。 当初は自分たちが住むつもりでしたが、「国の『重要伝統的建造物群保存地区』に指定されている特別な場所だから、カフェをやったら、それがきっかけで来てくれる人が増え、いろんな人にこの場所を知ってもらえるんじゃないか」と、雅一さんが提案。飲食業の経験はなかったものの、雅一さんはコーヒーを、れいさんはパン作りを一から学び、2024年11月にオープンしました。
「僕たちがここでお店をやることで、この地域やここで暮らす人たちにも貢献できればと思い、この辺りの農家からJAなどに出せない野菜や果物を分けていただき、お客様に出す料理に使ったり店頭で販売したりしています」。 「春には桃の花が咲き、夏には桃やブドウが実り、秋にはイチョウの木が黄金色に輝いて、年に何回か降る雪の日には幻想的な風景が広がる。夜は星が瞬き、お休みの日には鳥のさえずりしか聞こえない。とにかく自然がきれいで、そういう自然に囲まれて過ごす日々はなんて贅沢なんだろうと思います。ここにこういう場所があって、こういう時間を過ごすことができるんだということを、一人でも多くの人に知ってもらえたら嬉しいですね」と笑顔のお二人。古くから続く山の中の集落に、新しい風が吹いていました。
小野田さんご夫妻のおしごと事情
《雅一さんとれいさんの場合》
夫婦でベーカリーカフェ「上条庵」を起業。週5日営業し、雅一さんが飲み物と経営を担う。れいさんはパンと料理を担当するほか、移住前に勤務していた企業の仕事もリモートで継続中。
焼きあがったパンを並べるれいさん
民家の趣をそのまま活かした店内
店先に並ぶとれたてのカボチャ
丁寧にコーヒーを淹れる雅一さん

